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09.09.15 ALI PROJECT スペシャルインタビュー
宝野アリカと片倉三起也の二人から成るALI PROJECT。「コッペリアの柩」(アニメ『Noir』のオープニングテーマ)、「聖少女領域」(アニメ『ローゼンメイデン・トロイメント』オープニングテーマ」)等、数多くのヒット・ソングで知られている。クラシカルな要素を取り入れた音楽性と、楽曲ごとにコンセプトを決めて作りこんだビジュアルは、他に類を見ない存在である。V-ROCK出演を心から喜んでくれているヴォーカルの宝野アリカによる「ALI PROJECTとV-ROCK FESTIVALを楽しむ」特別インタビュー。
ーー今回、V-ROCK FESTIVALに参加が決まった感想を教えてください。 「すごく嬉しかったです。それはなぜかというと、ALI PROJECTはアニメの主題歌やエンディング・テーマをよくやっているので、アニソン歌手だと思われて、アニソンのイベントにしか呼ばれないんです。それはそれでいいんですけど、自分たちではアニソン歌手だとは思っていないので、ロックの人たちのイベントに呼ばれて『やった!!』という気持ちです」
ーーアニメのヒットソングが有名ですけど、音的にはロックですよね? 「そうなんです。気持ち的には、パンクに近いと思ってるくらいなんですよ。V-ROCKにALI PROJECTが出るので驚いている人もいるみたいですけど、こちらとしてはごく普通というか、まったく違和感ありません」
ーーちょうどツアーが終わった後にV-ROCK出演となると思うのですが、どんなステージになりそうですか? 「ツアーはアルバムの雰囲気が強いと思うので、V-ROCKではもっとロック寄りで激しく暗めの曲をたくさんやりたいと思ってます。衣装も新調して……」
ーー新しい衣装なんですか? 「はい、気合が入ってるんです(笑)。V-ROCKのステージは、男性ヴォーカルが多いですよね? わたしたちが出る日はほとんど女性ヴォーカルがいないと思うので、華やかなステージにしたいなと思います。ビジュアル系のバンドのステージって、すごく派手でカッコいいですよね。ALI PROJECTも、曲も見た目も負けないようにやっていきたいです」
ーーALI PROJECTの写真を見るといつもすごく派手なんですが、ライヴの時は? 「ライヴも、あのままですよ(笑)。他のイベントに出る時もあのままなんで、異色といわれたり、妖怪といわれたり、どうしても浮いちゃってますね。ALI PROJECTは曲ごとにしっかりイメージを考えて、いろんな格好をしてジャケットを撮ってるので、ステージでもそれをできるだけ再現したいと思ってます。その楽曲のための衣装だったりするので」
ーーV-ROCKを見にくるお客さんの中には、ALI PROJECTのステージを初めて見るという方もいると思うので、プロフィール的なことを教えていただけますか? 「はい。結成したのは80年代の終わりで、当時はニュー・ウェイヴがすごく盛り上がってたんです。わたしもそういうのがすごく好きだったので仲間に入りたかったんですけれど、もうブームが終わりかけの頃で時期的にちょっと遅かったんですよね。その頃はもっとニュー・ウェイブっぽいというか、シンセの多重録音の時代だったので、テクノっぽい音楽をやってました。歌詞はまず寺山修司に影響されるような文学少女だったので、そんなところから始まり、文学的なものをめざしてやってきました」
ーー結成以来、ずっと二人でやってるんですか? 「そうです。今は、ライヴでヴァイオリンが二人参加してくれてます。レコーディングでも弦を多用したりしてますけど、基本的には二人で作ってます。バンドっていうのは、人が多い分、いろいろ面倒くさいじゃないですか(笑)。孤独にやっていきたいと思ったので他に人は入れないで、曲ごとにヴァイオリンとかチェロとか他の楽器に参加してもらってます」
ーーもともとアリカさんは、アニメがお好きだったんですか? 「いえ別に。気がついたら、アニメの曲をやるようになってたんですよね。たまたまALI PROJECTの世界にあうアニメのお話がきたりして、それにあわせて作っているうちにそちらの仕事が多くなったんです。みんな、100パーセントはアニソン歌手と思ってないんでしょうけど、アニメに関わるとアニソン歌手になっちゃう風潮があるんですよ。だから、今後はもっともっと違う分野でもやっていきたいですね。まだALI PROJECTを知らない人もいっぱいいると思うので。でも、ビジュアル系が好きな人は、ALI PROJECTも好きじゃないかと思うんですけど(笑)」
ーーまさにそうですよね! 「ヴォーカルが女の子だと、受け入れてもらえないのかしら……」
ーーそんなことはないと思います。男性に媚びるようなタイプの女性ヴォーカルは、受け入れられにくいとは思いますが。 「(そういうタイプ)、わたしも、大嫌い(笑)! わたしには媚が全然ないので、そこは大丈夫だと思いますよ。だから、音さえ気に入ってもらえれば、聞いてもらえるんじゃないかな」
ーー歌詞は独特の世界で、音に言葉をのせる方法も個性的ですよね。 「最近は早口の曲が多いんです。メロディが先にあって、そこに言葉をはめていくので、メロディが変わっているからというのもあるかもしれませんね。歌詞もメロディもずっとこのパターンでやってきたけれど、ありきたりのことは歌ってません。わかりにくいと、思うんですけれどね。一回耳にしただけでは、何を歌っているのかわからないと思うんですけれど、何回も聞いたり歌詞を読んだりしているうちに、もっと違う世界がどんどん広がっていくと思うんです。深いんですよ。自分でも、一筋縄ではいかないと思いますね(笑)」
ーー書く時、こういう歌詞がすんなり出てくるんですか? 「いえいえ!3日4日5日くらい、平気でかかります。こもって集中して、書きます。たとえば、アルバムのモチーフとか世界観が最初にあって、曲ごとに言葉とか漢字を選んで歌詞を書いていくんです。たとえば、今回のアルバム・タイトルは『Poison』=毒という意味なので、毒から阿片を連想して、阿片という言葉から一曲の物語を考えるという感じです。それが、一つの漢字だったり、一つの文章だったりするのですが、そこから広げていくんです。本当に、物語を作るような感覚ですね」
ーー生みの苦しみが、すごくありそうですね。 「はい、相当、苦しいです(笑)」
ーーでも、かなりコンスタントに作品をリリースしてますよね? 「はい。去年も出してましたけど、今年もいっぱい出してます。アニメのタイアップがあったのでシングルを3枚出して、秋にまたもう1枚出します。その合間を縫って、シングルとは別の完全オリジナル・アルバムを作りました。それが、さっきお話した『Poison』です。去年はベスト盤も出しました。ALI PROJECTはレコード会社が一つではなくて、タイアップを持ってきてくれたレコード会社さんからそれぞれ作品を出しているんです」
ーーめずらしいパターンですね。 「アルバムは自分たちだけで作って、ディストリビューション(流通)だけレコード会社さんのを借りてます。普通はあまりこういうパターンって許されないと思うんですが、ALI PROJECTは何故か許されちゃってるんですよね(笑)」
ーーどうして、そういうやり方になったんですか? 「もともと作品に対して、いろんな人から意見をいわれるのがあまり好きじゃないんです。92年に某レコード会社からデビューした時、『もっとわかりやすいものを』『もっと売れるものを』ってすごくいわれたんですけど、結局、うまくいかなかった経験があるので、誰にも文句をいわれずに好きにやっていきたいと思ったんです。そのスタイルでやってきて、ようやく認められたから、今は本当に自由にやらせてもらってます」
ーーアーティストの理想形ですよね。 「でも、アニメのタイアップの場合は、ちゃんとその内容にあわせたものを作ってるつもりですよ。ちゃんとストーリーを聞いて、主人公が男の子のなのか女の子なのか、戦いがあるのかないのか、アニメの世界に歩み寄って作ってるつもりです」
ーー戦いものが、多いですか? 「多いですね。逆に、恋愛ものはほとんど依頼が来ないです(笑)。アンティーク・ドールが生きてて、バトルを繰り広げる「ローゼンメイデン」というアニメがあったんですけれど、それはゴスロリな感じで、すごく世界観のある作品でやりやすかったです」
ーーやっぱりゴスロリは、お好きですか? 「ゴスロリの走りだったので、そういう要素は取り入れてます。ゴスロリ・バイブルとかでは、いつもゴスロリの格好してますよ」
ーーV-ROCK FESTIVALは今回初めてなんですけれど、ライヴ以外にもみなさんが楽しめる場所を作ろうと思ってるんです。アリカさんが、あったらいいなと思うのはどんな場所ですか? 「みなさん、疲れるだろうから、カフェかな。ゴスロリ・カフェがあったら、楽しいかも。お客さんも女の子はゴスロリ・ファッションの方が多いでしょうから。自分がお客さんで行った場合を考えると、CDショップは是非あってほしいです。ライヴで気に入ったら、すぐにCDを買いたいので」
ーー出演バンドで興味のあるバンドは、ありますか? 「以前、ファッションショーでAlice Nineと一緒になったことがあります。あと、マリリン・マンソンは大好きなので、ライヴがとても楽しみです。あとは、ALI PROJECTと同じくらい長くやってるペニシリン、一度お会いしてみたいと思うMANAさまのMoi dix Mois。MANAさまはゴスロリ・バイブルにいつも出てらっしゃるので、いつか誌上で対談をとわたしは密かに思ってるんですけど。ALI PROJECTはどこにも仲間に入れない存在なので、このイベントでV-ROCKなお友達がたくさんできたらいいなと思ってます」
ーーALI PROJECTのV-ROCK FESTIVAL以降の予定は? 「10月21日に、新しいシングルが出ます。『戦う司書』というアニメの主題歌で、ダークな世界でALI PROJECTにはあっているので、気合を入れて作りました。曲は戦いの曲で、ゴスっぽくてカッコいいですよ。渋谷のトランプルームでPVを撮ったんですけど、まさにビジュアル系の雰囲気です。その曲のビジュアル・イメージがリボンの騎士なので、V-ROCKもそのイメージでやりたいと思ってます」
ーー新曲も、V-FESで歌う予定ですか? 「はい。歌いたいと思います。他もガンガンな曲をやろうと思ってますので、楽しみにしててください。初めて見る人が多いと思うんですけど、損はさせませんので」
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